2025年09月01日
大規模修繕工事に限らず住宅でも行われる塗装工事。塗料にも種類があり、耐久性が変わってきたり、その場所、現状で最適な塗料があります。
この記事では塗装工事のあれこれを詳しく解説させていただきます。
あくまで目安ではありますが、ぜひ読んでいただいて外壁塗装工事を検討する際の参考にしていただければと思います。
塗装工事とは
塗装工事は、外壁と鉄部の工事があります。建物は、年月の経過に伴い劣化は避けられません。建物を綺麗に保つためには定期的な工事が必要となります。
塗装工事を行う目的
機能回復・建物の保護
まず一つ目は、機能回復と建物の保護です。建物の外ですので常に紫外線や雨風に晒されています。塗装の劣化によってコンクリートが晒されると、内部に水が浸入し鉄筋が膨張し躯体のひび割れや欠損などによる剥落が起こってしまいます。塗装の劣化が進むことで建物全体の耐久性や耐水性などの本来の機能が失われてしまいます。
美観
二つ目は美観です。外壁の塗装が剥がれていたり、膨れていたり、著しい塗装の褪せた建物を見た際に皆様はどう思われますか?アパートやマンションだった場合に入居したいと思いますか?しっかり定期的に工事を行う事で新築時のような美観が保たれ、入居率も高くなり建物の資産価値も向上します。
塗装工事の流れ
外壁塗装工事の流れ
施工前
下塗り
中塗り
上塗り
施工完了
鉄部塗装工事の流れ
施工前
ケレン・清掃
錆止め塗布
中塗り
上塗り
施工完了
塗料の劣化要因
雨風、紫外線
外壁塗装は、雨風・紫外線に常にさらされている状態です。建物を守ってくれているとは言え大きなダメージになっています。適切な工事を行わなければ亀裂や色褪せによって建物内部に水が浸入したり美観を損なう事になってしまいます。
付着物
塗装は建物の表面に塗布するものなので鳥の糞や樹液、花粉、黄砂など様々な付着物があります。このような付着物は塗装の劣化に繋がります。
塩害
海が近い建物に見られますが、海の塩分が風に乗って建物まで運ばれてくるため、塗装の劣化や鉄部の劣化が進みます。
塗料の種類について
塗料は塗る場所によってはもちろんですが、値段や耐久性などグレードがありますので紹介します。
アクリル塗料
価格は安価で汚れやすく耐久年数は5~8年と短めです。
ウレタン塗料
密着性には優れていますが、現在ではほとんど使用されません。耐久年数は、7~10年です。
シリコン塗料
現在では最も主流で、レーヴが担当する工事でも一番使用されているグレードです。耐久性と価格のバランスが良いです。耐久年数は12~15年と大規模修繕工事の工事周期にも合っています。
ラジカル制御塗料
ラジカル制御塗料とは、塗膜の劣化原因であるラジカルの発生を抑制する酸化チタンと光安定剤(HALS)が含まれている塗料のことを言います。
耐久性は◎で耐久年数は14~16年です。
コストパフォーマンスがとても良い塗料です。ただ、まだ新しい塗料の為実績が少なく、製品の数が少ない事がデメリットです。
フッ素塗料
耐久年数は15~20年と長いですが、価格が高い為レーヴが行う工事でもたまにしか使用しません。
無機塗料
無機塗料とは、塗料の主成分にセラミックやガラスなどの無機物が配合された塗料です。耐久性は他の塗料と比べて非常に優れており、紫外線の影響を受けにくい事も特徴です。耐久年数も20~25年ととても長いです。
しかし、価格がかなり高いことと施工が難しい為、施工できる業者さんが限られます。
予算に合わせた塗料選びをする事が一番ですが、メーカーや製品によっても性能が変わってきますので、正しい情報を見て建物にあった塗料選びをしましょう。
塗料を綺麗に長く保つために
建物が建っている環境など様々な要因で耐久年数は変わります。メーカーが謳っている最大耐久年数まで綺麗に保つ為にポイントを押さえましょう!!
塗料の種類
先ほども塗料の種類について書かせていただきましたが、安価な塗料は耐久性が短くなってしまいます。予算にあった良い塗料を選びましょう。
信頼できる業者を選ぶ
塗装を綺麗に長く保つためには、業者選定が一番重要と考えています。塗装は何層にも塗り重ねます。業者によってはメーカー様の規定の塗布量を守らなかったり、規定の工程を踏まない悪徳な業者もいます。
工事をずっと見ている事が出来ないからこそ、任せても良い信頼できる業者選びをしましょう。
塗装工事の注意点
大規模修繕工事を行うにあたり、塗装工事はバルコニー内や廊下など居住者の皆様が使用する場所も施工を行います。
塗装工事を始める前に事前に注意点などが書かれたお知らせが配付されると思いますのでしっかり確認しましょう。
塗料の臭い
外壁塗料はそこまできつい臭いは発生しませんが、鉄部用塗料はかなりきついシンナー臭が発生します。灯油のような臭いです。扉や窓を閉め切っていても部屋の中に臭いが入ってきてしまう場合もあります。
めまいなどの症状が出た場合は、すぐに現場監督に相談しましょう。安全データシートという成分などが書かれた資料を監督が事務所に保管しておりますのでそちらを持って医療機関を受診しましょう。
バルコニーの使用制限
バルコニーの塗装を行う場合は掃出し窓に養生を行いますので出入りが不可能になります。通常であれば1週間以内には解放できるように工程を組んでおります。
施工後の乾燥時間
施工を行ってすぐは塗料が乾燥しきっていません。表面は乾いているように見えても完全に乾燥していない可能性がありますので施工を行った場所は最低でも1日は触れないようにしましょう。
施工後の「汚れ」
塗装工事を行う際は綺麗に養生を行いますが、養生材を剥がす際などに施工面と関係ない場所に塗料が付着してしまう場合があります。
明らかに汚れと感じた場合は現場監督に報告しましょう。
塗装工事中のギ・モ・ン
塗装工事はバルコニーや廊下内など居住者の皆様が使用される場所も工事を行うため、生活をするうえで疑問があるかと思いますので、よく聞かれる事に答えていきます!!
Q:バルコニーの工事中エアコンは使用できますか?
A:使用できます!
Q:バルコニーに洗濯物は干せますか?
A:バルコニーの工事中は出入りが出来なくなるので洗濯物は干すことが出来ません。塗装工事以外にもお洗濯物が干せない日がありますので、掲示板やお知らせを確認しましょう!
Q:塗装工事を行う適切な季節はありますか?
A:基本的にはどの季節でも工事は行えます。しかし、気温や湿度の状況により工事が出来ない場合もあります。
Q:雨の日も工事を行いますか?
A:雨が当たらない場所は工事を行う場合もあります。
まとめ
外壁塗装は、変色やチョーキング現象、膨れなど工事を行うべきタイミングがあります。膨大な費用がかかる工事ですので、大きなトラブルにならないためにも施工業者と慎重な打合せを行いましょう。
1社だけでは心配な場合は、合い見積もりやセカンドオピニオンなどを利用して大規模修繕工事を成功に導きましょう!!
今回書いた記事の内容以外にも知りたい事があればお気軽にご相談ください。
また、工事のご提案も出来ますので、【無料建物診断】をクリックしてお問合せください。
次回予告
次回は【防水工事編】です。塗装工事についてや塗料の種類と特徴、注意事項などたくさんの情報を発信できればと思っております。
次回もお楽しみに!!