大規模修繕工事を詳しく知るために!!1つ1つの工事を詳細に解説 【シーリング工事・洗浄工事編】

2024年08月26日

皆さん、前回投稿させていただきました大規模修繕工事を詳しく知るために!!11つの工事を詳細に解説【下地補修工事・タイル工事編】はご覧いただけましたか?
前回投稿した【下地補修工事・タイル工事編】に引き続き、今回も大規模修繕工事の各工事詳細を書かせていただきます。
工事に詳しくない方にもわかりやすくレーヴの監督たちや協力業者様に聞き、まとめてみましたので、1つの目安としてご覧いただければと思います。

シーリング工事とは?

 
シーリング工事とはゴム状の接着性がある材料を用いて、建物の継ぎ目を塞ぎ、建物内部に雨水などの侵入を防ぎ建物全体の防水性、気密性を保護し劣化を防ぐ工事の事です。
更には、天災による建物の揺れが起こっても、シーリングの伸び縮み建物内部への漏水を守ってくれるとても大事な役割をしてくれています。
「コーキング」というお言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、シーリングとコーキングは同じ意味を示しています。
最近ではシーリング材をDIYやキーホルダー作りなどでも使用されるようになってきましたが、実際にどの場所にどのシーリング材が適しているのかなどをお話できればと思います。

また、シーリングの寿命は一般的に5年~10年ほどです。しかし、どの工事の材料でもいえる事ですが日当たりなどの建物の立地によって劣化速度も大きく変わりますので保証は出ても一概に「〇年は持ちますよ!」とは言えません。

 

 

シーリングの不具合について

「軟化」と「硬化不良」

理由は様々ですが、「軟化」とは一度は硬化したシーリングが10数
年かけて
柔らかくなってしまう現象の事で、「硬化不良」とは工事
の時から一度も硬
化せず柔らかいままの状態の事です。


ひび割れ、破断

経年劣化によりシーリングにひびが入ってしまう事です。経年劣化したシーリングを放置してしまうとひび割れが起きた箇所から漏水の危険もありますので、工事を行うサインです。


変色

防水性能が損なわれるわけではありませんが、材料に含まれる様々な成分によって変色が起きてしまう事です。


剥離

シーリングが外壁から剥がれて隙間が出来ている状態の事で、シーリング材を充填する前の接着剤として使用されるプライマーの不良や天災による建物の動きに対応しきれなかった場合に起きてしまいます。


          

ブリード現象って何?

一見、施工不良では?と思われがちですが違います。シーリング材と上に被せる塗料の相性が悪い事も考えられますが、大体は材料に含まれている「可塑剤」という成分が原因です。施工時は何の問題も無くとも、数年かけて可塑剤が表面に滲み出る事でホコリなどが付着して黒っぽくなってしまい目立ってしまいます。最近ではブリード現象が起きないように改良された「ノンブリードタイプ」の材料もあります。

                ▲ ブリードしてシーリング周辺が黒ずんでいる様子

 

シーリング材の種類

大規模な建物や戸建てなど、建物によっても使用する種類が違います。そんな中でレーヴが工事でよく使用するものをご紹介します。

【形態】
・一成分形・

専用のガンに装填してそのまま使用する事が出来るシーリング材の事です。一成分形シーリング材は、空気中の水分と反応して表面から硬化します。

・二成分形・

基剤と硬化剤の2種類の材料を専用の機械で決められた時間攪拌して使用するシーリング材の事です。二成分形シーリング材は、基剤と硬化剤の成分が反応して硬化します。

【成分】 
シリコーン系シーリング材
耐熱性、耐候性、耐水性に優れていますが、塗料を施す場所には使用する事が出来ません。
また、安価なためコストパフォーマンスが良いです。使用用途はガラス廻りや室内の水廻りです。

変成シリコーン系シーリング材
耐候性、耐装性に優れていますので様々な場所に使用する事が出来ます。耐装性にも優れているため、シーリングの硬化後
に塗装を施すことが出来ますので外装に使用する事が出来ます。使用用途は、外壁やサッシ廻り、板金、配管など様々な場
所に使用する事が出来ます。


ポリサルファイド系シーリング材
耐久性に優れており表面がホコリなどで汚れにくい事が特徴です。硬めの材質なので地震などで大きく揺れが生じる目地などには不向きです。使用用途は、タイル面や石材の目地に使用する事が出来ます。

ポリウレタン系シーリング材
ポリウレタン系は耐候性が低く、太陽の紫外線と熱が苦手な材料になります。その為塗装が施される場所以外(露出部分)で使用するとすぐに劣化してしまいます。使用用途は、塗装が施される打ち継ぎ目地やサッシ廻りです。

洗浄工事とは?

                 ▲高圧洗浄工事の様子

洗浄工事とは、その名の通り建物の汚れを落とす工事です。長年の汚れを落とす目的と、下地補修工事やタイル工事などで出たホコリなども一緒に洗浄していきます。洗浄工事をしっかりしないと、その後に行う塗装工事や防水工事にも大きく影響します。仕上げ工事が綺麗な仕上がりになるためにも欠かせない工事です。高圧洗浄機を使用して洗浄を行いますが、塗装面とタイル面で洗浄方法が違います。

                 ▲クリーニング工事の様子

工事が完了したベランダ内、廊下内のクリーニング工事を行います。ベランダ内は掃出し窓や手摺、換気フードなどの拭き上げを行います。
そして、ベランダも手摺や窓、玄関扉の拭き上げ清掃を行います。
ホコリや汚れの他にも塗料や防水材が飛散してしまい汚れてしまっている場合もありますので綺麗にします。

塗装面とタイル面の洗浄方法の違い

塗装面は、高圧洗浄機で洗い流す事で終わりますが、タイル面は高圧洗浄工事だけでは汚れが取れないので薬剤を塗布して洗浄をしていきます。タイルは、長年の汚れと共に工事で張り替えた箇所は目地材なども付着したりしていますので薬品で綺麗に洗浄していきます。
私が過去に行った大規模修繕工事では、駐車場のアスファルトに錆汁が付着して取れなかったので洗浄工事前に使用する薬品で試験施工を行ったりもして、とても綺麗になった事があります。
このように洗浄工事では、外壁の種類によって薬剤の種類や洗浄方法を変える事によってより綺麗になります。

                 ▲塗装面の洗浄中

                 ▲タイル面の洗浄中

バイオ洗浄って何?

洗浄工事の中でも「バイオ洗浄」という種類もあります。バイオ洗浄は高圧洗浄だけでは綺麗に落としきれない頑固な汚れに、専用の洗浄液を活用して落としていきます。バイオ洗浄が効果的な汚れは特にカビや藻、コケになります。
バイオ洗浄は、一般的な高圧洗浄より乾燥時間がかかるので1、2日ほど他の工事が入る事が出来ません。
選択肢の一つとして覚えておいていただけると嬉しいです!!

洗浄工事中の注意点事項

洗浄工事中は、注意点やご協力をしていただく必要がありますのでいくつかご紹介させていただきます。

【通行規制の場合もある】
洗浄工事は、もちろん水を使用しますので足場の外に高圧洗浄工事によるしぶきが飛散してしまいます。通行量の多い歩道が近い場合は事前に打合せを行い、通行規制を行う場合もあります。
汚れを落とす工事の為、綺麗な水ではありませんのでトラブルを防ぐための対策を行います。

【車両へのカバー設置】
先ほどもお話した通り、綺麗な水ではありませんし、タイル洗浄には薬品を使用します。その為、洗浄作業をする近くに止まっている車両には水飛散防止のカバーを被せる場合もあります。カバーを被せている場所の車両はカバーの付け外しに時間がかかるため、いつもよりも余裕をもって行動をお願いいたします。

【バルコニー内のお片づけ】
洗浄工事以外にも関わってきますが、工事が始まりバルコニー内の作業に入る前にバルコニーのお片づけをしていただく必要があります
バルコニーに荷物が残っていると荷物の移動に手間と時間がかかってしまったり、移動中に破損してしまったりします。また、段ボールなどの紙類は洗浄工事の際に濡れてしまいます。その為、工事が始まる前にバルコニーのお片付けのご協力をお願いします。

洗浄工事の注意事項などは、お知らせを配布しますので事前にチェックしておきましょう。

    まとめ

    今回は、シーリング工事と洗浄工事について書かせていただきました。シーリング工事は種類や不具合について、洗浄工事は外壁の種類によっての洗浄方法や注意事項など普通では教えてくれないような内容を書かせていただきました。
    せっかくこの記事をご覧いただいたからには、この記事だからこそのたくさんの情報を知っていただければと思います。
    今回書いた記事の内容以外にもシーリング工事や洗浄工事について分からない事、知りたい事があればお気軽にご相談ください。
    また、工事のご提案も出来ますので、【無料建物診断】をクリックしてお問合せください。

    次回予告

    次回は【塗装工事編】です。塗装工事についてや塗料の種類と特徴、注意事項などたくさんの情報を発信できればと思っております。
    次回もお楽しみに!!

    安心・安全!
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