大規模修繕工事を詳しく知るために!!1つ1つの工事を詳細に解説 【下地補修工事・タイル工事編】

2024年06月23日

皆さん、前回投稿させていただきました大規模修繕工事を詳しく知るために!!11つの工事を詳細に解説【足場工事編】は見ていただけましたか?
前回投稿した【足場工事編】に引き続き、今回も大規模修繕工事の工事詳細を書かせていただきます。
工事に詳しくない方にもわかりやすくレーヴの監督たちや協力業者様に聞き、まとめてみましたので、1つの目安として見ていただければと思います。

下地補修工事とは?

建物は天災から居住者の皆様を守ってくれる大事な役割をしてくれています。しかし、守ってくれる変わりに様々なところに劣化や損傷が見られます。例えば地震により建物にひびが入ってしまったりします。下地補修工事はその建物の塗装面やタイル面の劣化してしまった部分や損傷した部分などを綺麗に補修する工事の事です。
ちょっとしたひび割れも放置していると、躯体内部にも雨水が浸入して建物が躯体内部から劣化してしまいます。漏水を発見した場合はすぐに対処しましょう。

下地補修工事とタイル工事の種類と施工方法

実際に『劣化』と言っても様々な種類の劣化や損傷があります。ここからは劣化や損傷の種類と簡単に補修方法まとめましたので見ていきましょう。

ひび割れ 0.3㎜未満

建物の躯体は乾燥収縮や地震の影響で建物の様々なところにひび割れが出来てしまいます。ひび割れの事を「クラック」と言うこともあります。0.3㎜未満のひび割れの補修方法は、セメントフィラーをひび割れに刷毛で擦り込みます。

ひび割れ 0.3㎜以上(エポキシ樹脂低圧注入工法)

0.3㎜以上のひび割れにはひび割れの原因によってさまざまな補修方法があります。今回は2種類紹介します。まずは、エポキシ樹脂をひび割れに注入する方法です。専用のシリンダーをひび割れ部分に固定して時間をかけてひび割れ部分の内部に材料を注入していきます。この材料は乾燥するとカチカチになるため、ひび割れのある場所が建物の構造耐久に影響がありそうな場所に使用します。

ひび割れ 0.3㎜以上(Uカットシール工法)

次に、こちらはひび割れに電動カッターで溝を掘り、そこにシーリング材を充填する方法です。先ほどご説明したエポキシ樹脂を注入する方法とは違い、シーリング材は弾性のため、建物が地震で振動したり、漏水の原因になりそうな場所に適用します。
なぜわざわざカッターで溝を作るかと言いますと、ひび割れの上からシーリングを施すよりも接着面が断然多くなるからです。すぐにひび割れが再発しないようにしっかり接着させます。

欠損

欠損は、地震の影響などでひび割れが広がり躯体部分が欠けてしまったり、外的な理由により躯体が欠けてしまったりすることです。外的とは、例えば駐輪場近くで建物の角に自転車が頻繁にぶつかってしまい欠けてしまったりなどがあります。
放置してしまうと躯体内部に雨水が浸入してしまったりするので、気づいたら早めに補修工事を行いましょう。
補修方法としましては、欠損している部分に専用の接着剤を塗って、モルタルで元の形に成形します。
簡単そうに思えますが、欠損部分が目立たないようになじませるのは結構大変なんですよ!!

鉄筋爆裂

鉄筋爆裂とは、ひび割れから雨水が躯体内部に侵入して鉄筋が錆びてしまい、膨張して内側から躯体ごとを押し出してしまう事です。
ひび割れから錆汁が出ていたり、躯体が欠損している箇所から錆の色が見えていたりしたら鉄筋爆裂部分になります。躯体内部
雨水が浸入しているのでどんどん建物の強度も落ちてしまいますので、こちらも早めの補修が必要になります。
補修補法としましては、まず防錆剤を塗布してから専用の接着剤を塗って、セメントで成形していきます。

モルタル浮き

多くのマンションは、躯体の上に下地処理がされて、タイルや塗装が施されているかと思います。もちろん美観の為でもありますが、雨風や太陽の紫外線から躯体を守ってくれたりしています。新築から数年経つと様々な原因で躯体と下地の間の接着力が低下し空間が出来てしまいます。放置してしまうと剥落の恐れがありますし、躯体内部に侵入してしまいます。
補修方法としましては、浮きが発生している箇所に決められた間隔で躯体に届くくらいの穴を開けます。そしたら、その穴にエポキシ樹脂を注入して専用のピンを入れて躯体と下地を固定して完了になります。

脆弱塗膜剥離

まず塗膜とは、壁に塗られた塗料の膜の事です。脆弱塗膜剥離とは雨風や太陽の紫外線などによる劣化で塗膜が剥がれたり、塗膜内部に水が浸入して蒸発と共に膨れてしまう事です。紫外線に当たる事は避けられないので、耐久年数ごとには必ず塗り替えが必要です。塗膜剥離補修を適切に処理しなければ、新しい塗膜が出来てもすぐに剥がれてしまいます。
補修方法は、下地から剥離してしまっている塗膜を綺麗に剥がし、密着性の高い材料で成形し、刷毛などで段差調整を行います。
天井は、太陽の光が良く当たり補修をした箇所が目立ってしまうので段差調整には職人技が必要です!!

タイル浮き

タイル浮きは、先ほどの「モルタル浮き」の現象と同じ事で躯体と下地の間に空間が出来てしまいます。
タイルは塗装よりも重いです。もし浮いた箇所が剥落してしまっては大変危険です。
補修方法も変わらず、浮きが発生している箇所に決められた間隔で躯体に届くくらいの穴を開けます。そしたら、その穴にエポキシ樹脂を注入して専用のピンを入れて躯体と下地を固定して完了になります。
タイル浮きには「陶片浮き」というタイルの張付けモルタルとタイルが剥離している事もあり、こちらは注入ではなくタイルの張替えを行います。

タイルひび割れ・欠損

張り付けてあるタイルにひび割れや欠けが起きているものを張り替える事です。工事の事が分からない人でも一番わかりやすい損傷だと思います。放置してしまうと剥落の恐れもあるため大変危険です。
補修方法は、まず損傷しているタイル廻りの目地に電動カッターで切り込みを入れて、専用の電動工具でタイルを剥がします。
目地に切り込みを入れないと健全なタイルまで損傷してしまいます。
そして、損傷したタイルを撤去した部分に張付けモルタルやタイル用のボンドなどで新しいタイルを張り付けて、目地を綺麗に入れていきます。

まとめ

ここまで下地補修工事とタイル工事の大まかな種類と補修方法を書かせていただきました。
写真を見ながら、みなさんも自分の住んでいる建物の劣化部分を探してみてください。
劣化の度合いが分からないけど、心配という方はレーヴの【無料建物診断】をクリックしてお問合せください。
実際に工事を行う予定はないけど、劣化部分が心配だなという方はお伺いする事も出来ますので、お気軽にご相談ください。

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