2024年05月22日
大規模修繕工事といっても詳しくはどんな工事をするのでしょうか。もちろん各マンションによって劣化具合も違うため、全ての工事が一緒というわけではありません。しかし、標準的な工事はありますので1つ1つ詳しく解説していきます。
今回は【足場工事】について詳しくご説明いたします。
工事に詳しくない方にもわかりやすくレーヴの監督たちや協力業者様に聞きまとめてみましたので、1つの目安として見ていただければと思います。
足場工事とは?
足場工事とは、高所で作業をする際に作業員が歩行する床の事で、スムーズに工事を行うために必要不可欠なものです。足場は修繕工事以外でも新築工事や解体工事など建築現場には必ずあります。他にもコンサート会場など建築現場以外でも使用されている事もあります。
使用する場所や使用用途によってさまざまな種類の足場を使い分けます。
そして、足場工事はとても危険な工事になります。「転落事故」などが現場で無いように法律で決められた足場の安全基準もあります。
足場の種類
■単管足場
単管足場は、単管と言われる鉄パイプをクランプという金具で繋ぎ合わせる足場です。とても簡単に設置する事が出来ます。そして、自由度が高い為、建物に合わせて柔軟に形状を変える事が出来るので住宅街などの狭い場所向きの足場になっています。
DIYでも建てられるくらい簡単な作りをしているため、高層の建物には向いておらず低層向きとなっています。
■枠組み足場
足場の中でも歴史が古いです。強度が高く、高層の建物にも対応可能となります。枠組み足場は、ユニットではないため職人によって組みあがりの質が変わってきます。しかし、細かい細工を得意としますので難しい形の建物などには最適となります。
くさび緊結式足場に比べて若干騒音は抑えられますが、壁つなぎの設置などで躯体に穴をあける作業はどんな足場でもありますので騒音は発生します。
また、枠組み足場には部材置き場のスペースが必要となり、部材運搬の大型トラックが通れるだけの道幅も必要なため敷地に余裕のない建物にはあまり向いておりません。
▲枠組み足場
■くさび緊結式足場
レーヴの現場では8割ほどがくさび緊結式足場となっており、現在主流となっております。部材をハンマーで打ち込み部材同士をつなぎ合わせていきます。くさび緊結式足場は「ビケ足場」と呼ばれる事が多いです。
また、くさび緊結式足場とは総称の為、最近よく使用されるようになった「次世代足場」もくさび緊結式足場の一種となります。
組み立てや解体がハンマーだけで行えるため、容易に作業を行う事が出来ます。
くさび緊結式足場は部材置き場が必要ないため、敷地が限られた場所でも工事を行う事が可能です。
一方、ハンマーで組み立て解体を行うためかなりの騒音が発生します。
▲くさび緊結式足場
足場メッシュシートについて
皆様は、戸建て・マンション・ビルなどに足場が設置してあるのを見たことがあるかと思いますが、グレーや白、黒、緑、青などのいろんな色のメッシュシートを見たことがあるのではないでしょうか。
メッシュシートにはいろいろな役割がありますのでここからはメッシュシートについてのご説明をします。
まず足場メッシュシートには様々な役割があります。作業員の落下防止はもちろんのこと、万が一資材や工具などが落下した際に落下物から通行人を守ったり、塗料や細かいホコリなどの飛散も防止してくれます。
なぜ足場のシートがメッシュ状になっているかといいますと、足場をシートで覆うとかなりの風圧がかかります。ブルーシートなどの網目が無いシートで覆うと風に引っ張られて足場が倒壊してしまう恐れがあります。
暴風で足場が倒壊したニュースなどご覧になった事があるかと思いますが、メッシュシートにしていても倒壊する事があるくらい風圧がかかります。そのため、ブルーシートなどの網目が無いシートではなくメッシュシートを使用しています。
そして、網目がある事で採光も入ります。工事の作業性はもちろんですが大規模修繕工事はお客様が普段の生活をしながらの工事ですのでなるべくベランダの使用が出来るような対策もしております。
そして、メッシュシートの色も工事に関係があります。大規模修繕工事には主に「白」と「黒」のメッシュシートを使用しますので、この2色についてご説明いたします。
まず、ひと昔前までは大規模修繕工事のメッシュシートは白色が主流でした、ですが、近年では黒色のメッシュシートが主流になりつつあります。「え?黒って白よりも採光が届きづらそう」と思いますよね。それでは実際に見てみましょう。
▲黒色のメッシュシート
▲白色のメッシュシート
黒メッシュシートは白メッシュシートに比べて外から見た時に足場の中まではっきり見えます。そのため、防犯性に優れています。
▲黒色メッシュシートは黒い服を着ている人でもはっきり見えます
そして、工事中部屋の中が多少暗くなってしまう事は避けられませんが、採光性は黒色メッシュの方が良く、工事中も居住者様のご負担を軽減する事が出来ます。また、明るい方が作業性もアップします。
総合して考えた結果、レーヴではなるべく黒メッシュを採用しております。
▲黒色メッシュシートの内側
▲白色メッシュシートの内側
工事を行う上でメッシュシートは建物の環境に合わせて網目の大きさを検討したり、新品や2次品などご予算に合わせてたくさんのご提案をさせていただきます。
もちろんご希望があれば白メッシュを使用する事も出来ますので、足場工事についてはいつでもご相談ください。
足場工事の安全について
足場工事は、全工事の中でも一番危険な工事です。足場が組みあがった後も居住者の方は、今までなかった障害物が少し不安に思う方もいらっしゃるかと思います。
そのため、弊社では居住者様に少しでも安心していただけるように以下の対策を行っております。
1.居住者様及び第三者の方が通行される部分は落下防止対策および注意表示
▲落下防止対策
▲見える位置に注意表示
2.居住者様及び第三者の方が通行される部分はパイプカバーで怪我防止
▲足場にカバーを巻いて怪我防止
3.足場1階廻りの侵入防止対策
▲足場の出入口にはテンキー付きの扉
▲1階廻りは金網で侵入防止対策
4.暗い場所や足場の外部から建物に侵入可能な場所にはセンサーライト
▲センサーライト
上記以外にも「侵入警報システムの採用」など対策は様々なものがあります。建物の形状や周辺環境などによって、現場監督と作業を行ってくださる足場業者様で念入りなお打合せを行い工事を始めます。
まとめ
今回ご紹介した足場以外にもさまざまな種類があります。建物の形状や周囲の状況、どんな工事を行うか、予算などで設置する足場を決めていきます。単に外壁の工事を行うためだけの足場ではなく、居住者様にも安心していただける工事をご提案していければと思っております。
弊社は、グループ会社に足場会社がありますので、「大規模修繕工事専門会社」と「足場専門会社」の経験を合わせたご提案やセカンドオピニオンをご提案出来ます。
足場のみでも構いませんのでいつでもご相談ください。
次回予告
次回は【下地補修工事編】です。下地補修工事の標準的な不具合を細かく施工方法とともにご説明させていただきますのでお楽しみに!!